7月
10
2023
障害年金の申請代行をさせてもらっていると、依頼者様から「医師に伝わっていない気がする」とか「医師に何を言っても、解ってもらえない。医師が決めてしまっている」という言葉を聞きます。
この言葉、医師からしたら「検査データを診ると、その症状はないはずなんだけどなぁ」とか「それは、精神的なものだから・・・薬を出して様子を見るか」とか思われているかもしれません。
医師は、専門をもっていますから、専門を超えた症状は解りにくいのでは?と感じることがあります。
実際、腎臓疾患で通院していて、体の異常を伝え続けても「脱水症状」と言われるばかりで、他の部位の異常を考えてくれず、自分で他院にかかり癌が発見された。
他には、町医者で目眩がして症状を話したら、「船酔い止め」の薬を与えられ続けた。その後、転倒して、仙骨を骨折し総合病院へ入院。入院した病院で異なる目眩の薬を処方してもらった。現在は、目眩症状は軽減したが、原因は解らず。
など、伝わらないことはあるなぁ。という感想を受けています。
ご自身で、他の病気もあるかも?と思えば、他院で診察してもらい直した方が良い。ということもあるようです。
医師も他人。他人の痛さや目眩など、目に見えない症状は、自分自身でしか解り得ないこと。
他人が解るはずもなく、苦しむのは、ご自身です。
精神的な事で言えば、孤独感や喪失感、無気力感、焦燥感、憂うつ感など・・・ご本人が持つ感情は、他人には理解できない。他人は、解ったふりしかできない。
障害年金の申請を考えるなら、それでも医師には伝えて書き留めておいてもらわないと困るので、伝えるしかない。
医師に解ってもらおうと思えば、伝える事を諦めてしまう。だから、申請をのために、「感情を書き留めておいてもらおう」と思えば、伝えることに諦めずに済むかもしれません。
7月
07
2023
障害年金の支給中に、失職することがあります。
失職すると、雇用保険(失業給付)を受けたくなります。
障害年金の支給中に、失業給付との併給は可能です。
一切、調整が入りません。
しかし、手帳を使って失業給付を得ようとすると、医師の就労可能の証明書が必要だったかと思います。
肢体であれば、障害がある部位以外の部位で、就労可能は問題ないです。
しかし、精神疾患の場合は、就労不能である故に障害年金を得ているとすれば、失業給付の就労可能と矛盾が生じてしまいます。
制度的には、障害年金と雇用保険(失業給付)の併給は可能ですが、精神疾患の場合は問題が生じる可能性があります。
障害年金と傷病手当金であれば、これは返金が生じます。
障害年金が優先されて支給され、傷病手当金との差額を健康保険協会や健康保険組合に返金することになります。
返金する支給は、障害年金と傷病手当金の支給期間が重なっている期間のみです。
「生活=お金の確保」ですから、得られる支給はすべて受けたいと思うのは普通な事です。
しかし、制度との兼ね合いにより、全てを得ることは難しい。というのが現状です。
7月
06
2023
障害年金は、病気自体が支給対象ではないことがあります。
肢体や臓器の場合は、病気で支給対象ではない。という事は起きません。
しかし、精神疾患の場合は、病気自体が支給対象ではない。ということが起きます。
その病気が、神経症や人格障害です。
例を挙げると・・・不安障害、強迫神経症、適応障害、抑うつ神経症、対人恐怖症、広場恐怖症、解離性障害などです。
この他に精神疾患ではないですが、味覚障害も支給対象ではありません。
このように、診断書を書いてもらっても、病気自体が支給対象ではなければ、申請しても不支給になってしまいます。
申請書類を集めることは、手間だけでなく、金銭的負担と疲労が伴います。
ですから、ご自身の病名を診断書記載依頼前に知っておいた方が良い。と思います。
頑張って申請して、徒労に終わらないためにも、前準備はしておいて欲しいです。
7月
05
2023
障害年金には「症状固定」という考え方があります。
症状固定は、これ以上治療を継続しても回復しない状態ということが認められたことになります。
脳出血や脳梗塞などが出現したのち、これ以上の機能回復は見込めない場合が多くみられるケースです。
ここで気を付けたいのが、誰が症状固定を認めるのか?という事です。
診断書を書く医師が、「症状固定」を認める。そして、その診断書を読み、審査官たちも「症状固定」を認めた場合にのみ「症状固定」が成立します。
診断書を書く医師だけが「症状固定」を認めても、審査官たちが「まだ機能回復の見込みがある」と判断したら、「症状固定」は認められません。
だから、申請をして、結果をみるまで解らないのです。
脳出血や脳梗塞の場合、病気が出現してから六か月後から「症状固定」が認められたなら、初診日から一年六カ月を待たずして申請が可能になります。
生活が切迫している人にとっては、「症状固定」で申請ができた方が申請が早くでき、支給される可能性も早く訪れることになります。
ちなみに、この初診日から六カ月経った考え方は、精神疾患(統合失調症・双極性障害・うつ病、発達障害)には該当しません。初診日から一年六カ月経ってからしか申請ができません。
「症状固定」をしているかどうか?確認するには、診断書を書く医師に尋ねるしか解らないです。
だから、特に脳出血や脳梗塞の方は、医師に障害年金の申請を考えている事。そして、症状固定がされているのか?を確認することをしておいた方が良いと思います。
「リハビリをしているという事は、機能回復が見込めるから」という考え方で審査されることもあるので、リハビリ中は、一年六カ月経ってから申請した方が無難かもしれない。ということも参考して下さい。
7月
04
2023
障害年金の申請は、書類を揃えて、年金事務所や役場で提出。その後は、審査官の元に届き、審査されて結果が通知で知らされる。
こんな流れです。
書類が基本の審査です。
請求者自身や請求者の家族が作成した書類であれば、何が書いてあるか?請求者は確認が容易です。
しかし、社労士等の代理人に依頼をした時は、何が書いてあるのか?書類確認ができません。
提出される書類で、結果が決まるのであれば・・・気になる。のは当然の心理です。
だから、希望される方には、申請前に書類の確認をしてもらっています。
確認してもらったとき、「あぁ、こういうことなら他にもある」とか「ここ・・・意味合いがちょっと違う」とか「これで、支給されそうなのか?」とか・・・色々な意見や疑問が出ます。
この意見や疑問が、とても大事なんです。
私は、障害年金の申請に慣れています。制度のことも知っています。だから、当然に書いてしまう事が多いです。
しかし、請求者様や依頼者様は、一度きりの申請ですから、「なぜ?」はつきものです。
申請してからでは、手直しはききません。
「なぜ?」を解決・説明したり、「こういうこともある」を加筆したりする過程で、請求者様や依頼者様が、障害年金について理解出来てきます。
理解が及んだもとで、申請をする。そして、結果を待つ。
理解をしていたら、不安要素は軽減されます。
審査の間、健やかに過ごせる日が増えます。
結果を待つのは、不安です。
自分の申請が、どうなっていくのか?支給されないことがあるとしたら、どこが原因になりそうなのか?
書類確認の中で解ってきます。
ね?大事でしょ。
7月
03
2023
障害年金の申請代行をしていて、申請準備中に依頼者様に対し、老齢年金支給額と障害年金の支給額のおおよその比較をすることがあります。
その時に出る言葉が、大抵「えっ!? こんなにも年金って少ないの?」という自問自答のような声です。
生活からみたら少なくない金額を毎月の納付額。
特に、厚生年金加入者は、「国民健康保険料よりも上乗せで、自分の給与から納付している。65歳以降の年金額は、多くはないけど、少なくともこんなもんだろう」と、信じている人が案外と多い気がします。
50歳を超えてから、老齢年金の支給額の試算ができるようになります。しかし、このことはあまり知られていない事実。
そして、50歳頃と言えば、まだまだ体が動くし、休日の楽しみや趣味を謳歌できる時期。
65歳以降の生活費は気になっても、「何となる」とか思ってしまうのも無理がない時期。
そこまで真剣に気にできません。
しかし、ご自身等が健康を失ったとき、直面する生活費。
そして、障害年金の申請に辿り着く。その支給額をみて、「少ない!!」と驚くのです。
現在の給与額が高額な人ほど、支給される年金額だけでは生活を賄うことに悩むと思います。
かと言って、NISAやiDeCo(確定拠出型年金)は、要は株投資ですから、将来の見込み額は読めません。
年金基金(確定給付型年金)とiDeCoは、60歳を超えてからの支給開始です。
現役時代の生活を支える資金にはなり得ないと思います。
なかなかに厳しい現実を突きつけられます。
現在、NISAなどの「ほったらかし投資」以外の株式投資をしていたとして、どれだけの人が、障害年金をはじめとする年金支給額だけで生きていけるでしょうか。
生きていける答えはない。としか言いようがない。
それだけに、せめて障害年金だけは支給が可能になるようにしたい。と、実感しています。
さぁ、今日も面談です。
今日は、障害年金の申請が最適か?老齢年金の支給を待った方が最適か?考える相談です。
障害年金の申請になって、障害年金が支給されないと、私には報酬は入りません。
しかし、その相談者様が、障害年金の申請よりも老齢年金の支給を待った方が良い。と、相談の結果、納得できて判断されたなら、それは最適なことです。
障害年金は、無理に支給を望む必要はありません。
相談者様が、最適な年金制度を選択できて、生活に少しでも困らなくなるなら、それが一番良いことですから。
7月
01
2023
障害年金の申請は、診断書だけを用意したらいいわけではない。
診断書は、医師が書く書類。
診断書とは別に、請求人の日常生活のことなどを請求人自身または家族等の代わりの者が作成する「病歴・就労状況等申立書」もある。
診断書の内容が良くても、この申立書の内容が悪く結果に影響を及ぼすことは、よくあること。
事実、審査請求(不服申立)の回答を読むと、診断書以外の申立書の文面が原因で、審査結果に影響を及ぼしていたことが判明することもある。
それだけに、十分な時間をかけ、考察しつつ申立書作成をしなくてはならない。
「結果は診断書が全て」というわけではありません。
一日かけて、申立書作成して、見直し、修正と加筆を繰り返す。
すると、一日作業になることもある。
特に、発達障害・知的障害の申立書は、生い立ちを作成しなくてはならない。
一言一句に気を使いながら、それでも請求人の事実を書き記さなければならない。
日本語は同じ内容であっても、表現や言葉の選択で、受け取り方が大きく変わる言語。
それだけに、一番合う表現や言葉を考えて作成しなければ、審査官に伝わる申立書にはならない。
今日は、申立書の作成の日。期待通りの結果を導き出せるように頑張りますよ。
6月
30
2023
障害年金は、三審制です。
- 最初は、年金事務所や役所に提出する申請。
- 不服ならば、審査請求として、厚生局に提出する申請。
- 更に不服ならば、再審査請求として、厚生労働省に提出する申請。
最初の申請のとき、診断書を提出します。
この診断書が、主に審査対象になると思っていると痛い目に遭います。
審査は、ふるい落としに近いものがあります。
申請書類として提出した書類は、全て審査対象になり、ふるい落としをするための材料になる。と考えて準備をしてなくてはなりません。
今回の「うつ病」の案件では、診断書内容は、確実に2級相当ありました。
しかし、結果は、3級でした。
3級とは言え、五年遡って認められているので、支給額は多いです。
しかし、遡って支給される額は、一度切り。二か月に一度の支給額は、2級と比較すると少ないです。
障害年金は、生活費そのものな方が多いです。それだけに、3級と2級の差は大きい。
3級になった理由は、おそらく幾度と休職をしては、復職しているから。そして、休職期間が数週間程度で復帰するから。だと考えています。
しかし、この数週間の休職は、生活ができないから無理に復帰しているだけ。生活費に困っていなければ、長期の休職をしています。
書面上だけの審査故の弊害なのかもしれません。
しかし、この診断書を3級と判断されては、2級の等級替えを求める申請をするときの妨げになりかねません。
なぜ、3級と判断を下したのか?くらいは、明確にしておく必要がある。と、思わせる案件です。
今や審査請求は、形骸化し、最初の申請の結果をただ周到するだけになっているように感じているので、審査請求をしても結果は変わらないでしょう。
しかし、なぜ、3級にしたのか?だけは明らかになります。
再審査請求をするのか? 明らかになった3級の判断の部分が解消されていたら、2級の等級替えの申請を考えるのか?
いずれにしても、このままにしておくことはできない申請です。
まずは、依頼者様同意の元、審査請求をすることになっています。
私の仕事は、障害年金が支給されたら「良かったね」ではありません。
ご本人が納得する結果が出るまでが仕事です。
6月
29
2023
障害年金の申請の時には、就労状況は継続していました。
人によっては休職期間中の申請。人によっては障害者雇用として、就労継続中の申請。人によっては一般雇用として、就労継続中の申請。
この3つのパターンのいずれかに該当しています。
休職であれ、就労継続であれ、体調が優れなくなりお勤めの事業所を続けられなくことは、障害年金の支給後に起こり得ることです。
実際、依頼者様達から「退職したら、障害年金ってどうなる?」「退職後は、何かデメリットが出てくる?」という相談を受けます。
退職したら・・・
障害年金は、今まで通りに支給継続されます。次の更新申請の結果が出るまでは、これまで通り障害年金の支給は変わりません。
デメリットは、厚生年金加入の方は、今まで会社と折半で支払っていた社会保険料をご自身で全額負担することになります。
国民年金加入の方は、何も変わりません。
厚生年金加入から国民年金加入に変わると、国民年金保険料は、基本ご自身負担になります。
ただし、扶養に入っている方は、今年の年収が概算で180万円を超えない限りは、扶養にはいれます。この収入の中には、障害年金や生活支給給付金も含まれるので、障害厚生年金2級で、お子さんと配偶者の加算がある人は、180万円を超えてしまうことが多くなっています。
※年金保険料納付ができないときは、2級または1級の方は、法定免除申請という年金保険料を法律的に免除される申請をして下さい。3級の方は、年金保険料が納付できない旨の申請で免除申請をして下さい。
扶養から外れると、国民健康保険料もご自身で負担することになります。国民健康保険料に関しては、免除はないので、必ず納付することになります。
ちなみに、国民健康保険料の納付額は、昨年の所得で算定されるので納付書が届くと、大抵の方は金額に驚いています。
就労継続しているときは、毎月の給与があるので、保険料納付が可能でした。
しかし、退職したのちは、障害年金しか入ってくるお金が無くなる方もいます。
障害年金の支給額だけでは、保険料納付して、生活費を賄うことは大変になります。
「退職したら?」と言われたら、兎にも角にも、ご自身の金銭負担が増すことを考える事になります。
6月
28
2023
大抵は、親は子供よりも早くこの世を去ります。
この原則は、生物である以上逃れられません。
精神疾患の障害年金の支給条件のひとつに「独居不能」というものがあります。
今、親とだけ同居している人は、親がこの世を去れば、本人一人になります。
すると、嫌でも一人暮らしになってしまいます。
一人暮らしの期間に、障害年金の申請や更新申請をするとなると、診断書の中に「同居者の有無」を記す項目は、必然的に「同居者 無」になります。
審査官は、同居者が居ないにもかかわらず生活が出来ているんだな。と考える傾向にあります。
ここで、「独居不能」から「独居可能」に変わります。
障害年金の支給の条件の一つから外れたことになります。
どうしても独居しなくてはならないなら、福祉サービスを受けることを視野に入れて欲しいな。と思います。
独居不能だから、ヘルパーやグループホームなどの福祉サービスを受けている。となれば、独居不能な状態が継続していることが審査官にも解ってもらえる確率は上がります。