7月
01
2023
障害年金の申請は、診断書だけを用意したらいいわけではない。
診断書は、医師が書く書類。
診断書とは別に、請求人の日常生活のことなどを請求人自身または家族等の代わりの者が作成する「病歴・就労状況等申立書」もある。
診断書の内容が良くても、この申立書の内容が悪く結果に影響を及ぼすことは、よくあること。
事実、審査請求(不服申立)の回答を読むと、診断書以外の申立書の文面が原因で、審査結果に影響を及ぼしていたことが判明することもある。
それだけに、十分な時間をかけ、考察しつつ申立書作成をしなくてはならない。
「結果は診断書が全て」というわけではありません。
一日かけて、申立書作成して、見直し、修正と加筆を繰り返す。
すると、一日作業になることもある。
特に、発達障害・知的障害の申立書は、生い立ちを作成しなくてはならない。
一言一句に気を使いながら、それでも請求人の事実を書き記さなければならない。
日本語は同じ内容であっても、表現や言葉の選択で、受け取り方が大きく変わる言語。
それだけに、一番合う表現や言葉を考えて作成しなければ、審査官に伝わる申立書にはならない。
今日は、申立書の作成の日。期待通りの結果を導き出せるように頑張りますよ。
6月
30
2023
障害年金は、三審制です。
- 最初は、年金事務所や役所に提出する申請。
- 不服ならば、審査請求として、厚生局に提出する申請。
- 更に不服ならば、再審査請求として、厚生労働省に提出する申請。
最初の申請のとき、診断書を提出します。
この診断書が、主に審査対象になると思っていると痛い目に遭います。
審査は、ふるい落としに近いものがあります。
申請書類として提出した書類は、全て審査対象になり、ふるい落としをするための材料になる。と考えて準備をしてなくてはなりません。
今回の「うつ病」の案件では、診断書内容は、確実に2級相当ありました。
しかし、結果は、3級でした。
3級とは言え、五年遡って認められているので、支給額は多いです。
しかし、遡って支給される額は、一度切り。二か月に一度の支給額は、2級と比較すると少ないです。
障害年金は、生活費そのものな方が多いです。それだけに、3級と2級の差は大きい。
3級になった理由は、おそらく幾度と休職をしては、復職しているから。そして、休職期間が数週間程度で復帰するから。だと考えています。
しかし、この数週間の休職は、生活ができないから無理に復帰しているだけ。生活費に困っていなければ、長期の休職をしています。
書面上だけの審査故の弊害なのかもしれません。
しかし、この診断書を3級と判断されては、2級の等級替えを求める申請をするときの妨げになりかねません。
なぜ、3級と判断を下したのか?くらいは、明確にしておく必要がある。と、思わせる案件です。
今や審査請求は、形骸化し、最初の申請の結果をただ周到するだけになっているように感じているので、審査請求をしても結果は変わらないでしょう。
しかし、なぜ、3級にしたのか?だけは明らかになります。
再審査請求をするのか? 明らかになった3級の判断の部分が解消されていたら、2級の等級替えの申請を考えるのか?
いずれにしても、このままにしておくことはできない申請です。
まずは、依頼者様同意の元、審査請求をすることになっています。
私の仕事は、障害年金が支給されたら「良かったね」ではありません。
ご本人が納得する結果が出るまでが仕事です。
6月
29
2023
障害年金の申請の時には、就労状況は継続していました。
人によっては休職期間中の申請。人によっては障害者雇用として、就労継続中の申請。人によっては一般雇用として、就労継続中の申請。
この3つのパターンのいずれかに該当しています。
休職であれ、就労継続であれ、体調が優れなくなりお勤めの事業所を続けられなくことは、障害年金の支給後に起こり得ることです。
実際、依頼者様達から「退職したら、障害年金ってどうなる?」「退職後は、何かデメリットが出てくる?」という相談を受けます。
退職したら・・・
障害年金は、今まで通りに支給継続されます。次の更新申請の結果が出るまでは、これまで通り障害年金の支給は変わりません。
デメリットは、厚生年金加入の方は、今まで会社と折半で支払っていた社会保険料をご自身で全額負担することになります。
国民年金加入の方は、何も変わりません。
厚生年金加入から国民年金加入に変わると、国民年金保険料は、基本ご自身負担になります。
ただし、扶養に入っている方は、今年の年収が概算で180万円を超えない限りは、扶養にはいれます。この収入の中には、障害年金や生活支給給付金も含まれるので、障害厚生年金2級で、お子さんと配偶者の加算がある人は、180万円を超えてしまうことが多くなっています。
※年金保険料納付ができないときは、2級または1級の方は、法定免除申請という年金保険料を法律的に免除される申請をして下さい。3級の方は、年金保険料が納付できない旨の申請で免除申請をして下さい。
扶養から外れると、国民健康保険料もご自身で負担することになります。国民健康保険料に関しては、免除はないので、必ず納付することになります。
ちなみに、国民健康保険料の納付額は、昨年の所得で算定されるので納付書が届くと、大抵の方は金額に驚いています。
就労継続しているときは、毎月の給与があるので、保険料納付が可能でした。
しかし、退職したのちは、障害年金しか入ってくるお金が無くなる方もいます。
障害年金の支給額だけでは、保険料納付して、生活費を賄うことは大変になります。
「退職したら?」と言われたら、兎にも角にも、ご自身の金銭負担が増すことを考える事になります。
6月
28
2023
大抵は、親は子供よりも早くこの世を去ります。
この原則は、生物である以上逃れられません。
精神疾患の障害年金の支給条件のひとつに「独居不能」というものがあります。
今、親とだけ同居している人は、親がこの世を去れば、本人一人になります。
すると、嫌でも一人暮らしになってしまいます。
一人暮らしの期間に、障害年金の申請や更新申請をするとなると、診断書の中に「同居者の有無」を記す項目は、必然的に「同居者 無」になります。
審査官は、同居者が居ないにもかかわらず生活が出来ているんだな。と考える傾向にあります。
ここで、「独居不能」から「独居可能」に変わります。
障害年金の支給の条件の一つから外れたことになります。
どうしても独居しなくてはならないなら、福祉サービスを受けることを視野に入れて欲しいな。と思います。
独居不能だから、ヘルパーやグループホームなどの福祉サービスを受けている。となれば、独居不能な状態が継続していることが審査官にも解ってもらえる確率は上がります。
6月
26
2023
障害年金には、初診日から「原則 一年六カ月経った後にしか申請ができない」という縛りがあります。
原則と言ったのは、脳出血や脳梗塞は、初診日から六カ月経った後に症状固定していると医師が認めていれば、初診日から六カ月経った後に申請が可能になる。などの特例があるためです。
精神疾患では、この特例はありませんから、初診日から一年六カ月経った後にしか申請は可能になりません。
既に申請を考えている場合、初診日から一年六カ月経つ前ならば、何をしておくことができるのか?と考える人は少なくありません。
出来ることがあるとしたら・・・
①精神障害手帳や身体障害者手帳の取得をしておく。
※手帳が未取得でも申請は可能ですし、支給もされます。手帳取得が絶対条件ではないことに注意してください。
②初診日を明確にしておく。
③初診日を確定したのちに、申請ができるのか?年金事務所で確認しておく。
④医師に病状から日常生活に支障が出ていることを十分に伝え、理解をしてもらっておく。
これくらいです。
一番大事になるのは、④「医師への理解」です。
これは、申請前からしておかないと、直ぐには伝わらないことが多く苦労します。
他の②と③は、申請可能期間が訪れてから行っても大丈夫かと思います。
ただ、初診日は、ご自身が考えている病院の初診日が、障害年金の申請上の初診日となるとは限りません。
例えば、うつ病が診断された病院の初診日は、申請上の初診日にならないことが多いです。うつ病の診断前から精神疾患の治療を受けていれば、うつ病より前の病院が申請上の初診日になることが多いです。
と、考えれば、申請期間を迎えるまでに「申請上の初診日を明らかにしておく」ことも大事になります。
この「申請上の初診日」は、ご自身では解らないことがあります。そのときは、障害年金をよく知る社労士に相談することをお勧めします。
障害年金は制度ですから、制度通りの結果しかでません。
どんなに困窮していても、制度の条件から外れていたら不支給になります。
それだけに、最初のステップは慎重に進めて欲しいです。
6月
25
2023
障害年金が結果が出るまでには、何にもの人が関わります。
主に、医師や審査官です。
「何にもの」という割に、二人だけ。なんですが、実際は、病院歴が辿る必要がある申請者は、辿る病院の数だけ医師などの病院関連者と関わります。また、審査官だって、一人というわけではないです。結果を出すまでに、何人もの人の審査の目が入っています。
自分以外の人が関わる以上、自分の思い通りにいかないことが起こるのは当然のこと。
診断書の内容ひとつとっても、自分が書いて欲しいことが書かれていない。とか、病名が自分が思っていた病名と異なっている。とか、申請の数だけ、「あれ?」と思う事は様々です。
初診日では、自分が思っていた初診日ではない病院で、「初診日」を証明しなくてはいけなくなることも多いです。
その新たに証明しなくてはならなくなった初診日の病院には、診療録が残っていない。だから、初診日の証明ができない。申請そのものが危うくなる。なんてことも多い事象です。
自分が思っているように障害年金が支給されれば、困る人はいません。
しかし、制度は、条件の羅列です。その羅列された条件をクリアすることが困難になることは、自分が制度を作っていないのだから起こり得ることです。
障害年金の支給が、運・不運があってはいけない。と思っても、制度で決められている以上、条件がクリアできない人が出てきます。
結局は、運・不運が出てきてしまいます。
社労士に依頼することで、制度を熟知しているので、証明の仕方がの引き出しが多い分だけ、この運・不運が少しは軽減される可能性はあっても、運・不運が消えることはありません。
社労士に依頼することは、自分が納得する申請をするためだと思います。
自分だけでは解らない方法を経験で知っているので、その経験を使って申請をすることで、納得できる申請に近づけることができるだけです。
想い通りにするために社労士に依頼するなら、それは勘違いです。
気をつけてください。社労士も人です。何でもできるわけではないです。
6月
22
2023
障害年金は、福祉ではありません。
これが大前提として申請をして欲しいです。
障害年金の支給を求める際、「精神疾患で仕事ができない。継続できない。だから、収入が得られない。」から申請をしよう。と思う人が多いです。
確かに、就労に制限があれば、障害年金の支給を得られる可能性はあります。
しかし、就労困難だけを焦点にして、障害年金の支給が得られるわけではありません。
では、何か?と言えば・・・日常生活の状態の支障具合です。
病態が悪く、鬱状態が継続、躁状態と鬱状態が繰り返される。または幻聴や幻視で正常な行動が取れない。などがあり、日常生活に援助がある。
発達障害は、コミュニケーション、拘りなどが強く日常生活に援助を受けている。
知的障害は、コミュニケーションや判断・思考が困難で日常生活に援助を受けている。
など、病気が原因で日常生活に援助が不可欠な状態が認められないと、障害年金の支給は困難になります。
日常生活とは、食事の準備や掃除や洗濯、入浴、金銭管理と買い物、対人関係の構築などを考えます。
『これら一つまたは二つほど、「できない。でも、他は問題なくできる」』という人が、障害年金の支給を得ようとするときに、一番困ると思います。
「できる」と言っても、その支障度合いは、面談し教えてもらえれば、本人や家族が「できる」と思っていても、案外と「できない」ことが出てくるものです。
普段の生活の中で、見慣れてしまい「できる」と思っている事は、実は「案外と出来ていない」ことだったりもします。
しかし、本当に「できる」という人もいます。
不安障害や対人恐怖症や適応障害などの人は、その場面になると「できない」が出現するだけで、普段は「できる」が多い傾向にあると感じています。
不安障害や対人恐怖症や適応障害は、神経症に分類されており、神経症は障害年金の支給対象外の病気になるので、病名だけで支給が得られない人でもあります。
それでも、障害年金の支給を考えるなら、「他に病気がないか?」を確認することから始めることがあります。
「就労困難」は生活に困りますが、それだけでは障害年金の支給を得られないケースが起こり得る事を理解した上で申請をして欲しいです。
過度な期待をすると、その後のショックが大きく体調を崩してしまっても困ります。
障害年金は、福祉制度ではない。条件がそろっている人にしか支給されない制度です。
6月
21
2023
障害年金には、数年に一度、その時の障害状態を審査される更新申請(障害状態確認届)があります。
この更新申請(障害状態確認届)は、診断書の内容によっては、「等級が下がる。または、停止する。」ことがあります。逆に「等級が上がる」こともあります。
大抵は、現状維持で、現在の等級が引き継がれることが多いと感じています。
今回、依頼者様は、症状が悪化したので2級→1級を求めておられました。
診断書記載の時期に、主治医が長期休養に入っており、主治医不在のため、代わりの医師が本人を診察し、診断書記載をしてくれました。
診断書記載をしてもらえなければ、障害年金が停まってしまうところでしたから、代理の医師が対応してくれたことは大変に良かったことでした。
ただ、主治医ではないので、ご本人のことを主にカルテの中からしか判断ができなかったようでした。
診断書の内容は、前回の診断書の内容をそのまま引き継いだ内容で、1級には該当しない内容でした。
申請前に、そのことを依頼者様に伝え、期待することなく結果を待つことを説明し、理解を得た上で、更新申請をしました。
結果は、2級でした。
ご本人は、残念がっておられました。しかし、障害年金がこれまで通りに支給され続ける事には安堵されていました。
現在も症状は悪いままなので、一年以内に1級を考えられる状況になれば、等級を上げる申請をすることになっています。
とは言え、状況が揃わなければ申請をしても、2級のままであることを考えると、依頼者様からしたら気持ちが軽くなる申請ではなかった。と感じています。
これからも支援継続です。
6月
20
2023
「うつ病」と病気だけ見たら、同じ。
しかし、家庭事情は異なる。これは当たり前ですよね。
今回、「うつ病」の申請が、2件支給決定されました。2件とも障害年金2級です。
ただ、一件は、六十代で、夫婦ともに病気を持っている。もう一件は、三十代で、子育て中。
共通点は、請求者は「女性」ということ。
同じ病気なのに、申請する時は、気にかけるポイントが異なります。
夫婦共に病気で、依頼者様が「うつ病」の場合は、援助者が家族に不在になってしまいます。誰が援助しているのか?
子育て中で、依頼者様が「うつ病」の場合は、夫が仕事中のとき、誰が子育てをしているのか?援助してくれているのか?
他にも気にかけるポイントはありますが、審査官も「援助の度合い」をみてくれることは明らかですから、最重要視です。
診断書に必ずしも援助の状況を書いてくれるとは限りません。理由は、医師に援助の状況を伝えていないからです。
伝わっていないことは、診断書に載らない可能性は高いです。
医師が、気にかけて尋ねてくれることはありますが、その医師が丁寧な方なだけと思った方が良いです。
基本、「普段の診察で伝えている事が、診断書に記載される」と思っているのが、丁度いいです。
今回、2級の支給決定がおりましたが、既に更新申請の準備は始まっています。
人の生活は、加齢と共に変わっていきます。
その変化を医師に伝えておくことは、障害年金を今後も支給され続けようと思うなら、必要な手立てです。
6月
16
2023
障害年金の審査は、国が定めた認定基準で行われます。
基本的に大きく変わることはないですが、その運用は変わってきている印象を受けることがあります。
今回は、精神疾患で就労をしている場合です。
『一般企業。「休職中」』のこのパターンです。
休職は、生涯の重さをはかるものではない。というのは、変わりません。
何が、変わった!?と感じたのかと言ったら、休職と復職を繰り返しているパターンの時、「労働の一部制限で就労可能」を判断され、3級の結果が出る事が増えた。
雇用されていることで、障害年金が不支給になることはありません。配慮されていたなら、障害年金は支給になる可能性があります。
この配慮が大事なんですけど、休職と復職の繰り返しは、「配慮」であり、「労務困難」とは判断されにくくなってきているのだな。と、感じています。
2級を考える上では、「労務困難」「就労可能」であること。
「休職=配慮されれば、就労可能」と判断するなら、「労務困難」「就労可能」にはなりにくいです。
なかなかに厳しくなってきたな。と思います。
ただ、これには、更に条件があるように感じています。
段々と厳しくなる審査。「厳しく」と感じるのは、支給される側。支給する側すれば、「適正化」なんでしょうね。
依頼者様に、新たに説明をさせてもらいながら申請準備を整えていく事項が増えました。