2月 14 2024
障害厚生年金3級との方が、老齢年金よりも多い場合ってある?
障害厚生年金3級は、2級と比較したらかなり支給額が減ります。
障害厚生年金3級の最低保障額は、年間約60万円。ひと月=約5万円。
この最低保障額よりも多い支給額の方もいます。そのような方は、初診日が中高年以上の方が多い感じです。
理由は、初診日より前の厚生年金保険料納付額に応じて、3級の支給額が決まるからです。
つまり、初診日が二十代や三十代半ばくらいまでだと、厚生年金保険料納付額が少ないので、3級の支給額も少なくなってしまいます。
ただ、あまりにも支給額が少ないと生活に困るので、最低保障額という支給額が設定されているわけです。
この年間約60万円よりも65歳から支給される老齢年金が少ない場合ってありますか?と、依頼者様に問われることがあります。
答えは、「あります」です。
初診日を迎えるまでの間、国民年金加入期間が長く、厚生年金加入期間が短い人が対象になり得るかと思います。
例えば、
22歳まで厚生年金加入で働いていた。その後、25歳で対人関係が上手くいかず退社した。退社後は実家に戻り、アルバイトを時折しながら生活をしていた。その期間、国民年金保険料が納付できないので納付しなかった。
その後、親が年金生活に入り、生活費が苦しくなった。将来の不安もあり45歳から家計と自分の将来を考え、再度厚生年金加入して働き出した。再度働き出してから、連続した就労に精神と体が付いていかず、一年も経たないくらいで精神状態が悪くなり、精神科の初診日を迎えた。
その後、就労を制限してもらいつつ働き、厚生年金加入からも外れ、国民年金加入者に戻った。制限ある就労をしながら、障害厚生年金3級を得た。
この場合は、25歳~43歳までの国民年金加入期間が長く、22歳~25歳・45歳の厚生年金加入期間が短いです。
国民年金保険料は納付していないので、65歳からの老齢年金は支給額は半額くらい(年間約40万円)。もしくは、半額以下。
こうなると、障害厚生年金3級の年間約60万円の最低保障額の方が多くなります。
このように、老齢年金をあてにしていると、驚くような支給額になることがあります。
老齢年金も障害年金も、国の保険ですから保険料納付をしていないと支給が得られません。
また、国民年金保険料納付が10未満だと、老齢年金すら支給する権利がないのが現行法です。
年金保険料納付ができないなら、市役所や年金事務所で免除申請をしておいて欲しいです。
免除申請をしておけば、年金保険料を納付していないけど、「滞納」扱いにならず「一応納付した」という扱いになります。
そうすれば、10年未満の納付だけは避けられる可能性が増します。
とは言え、年金保険料納付をしていないですから、納付していない分だけ65歳から支給される老齢年金の支給額は減り続けます。
障害厚生年金3級の支給が得られれば、最悪の事態は免れるかもしれません。
しかし、障害年金には、数年に一度の更新があります。
この更新の際に、再審査があるのですが、その時に支給停止の決定が下りれば途端に困ることになります。
更新は、65歳以降も行われます。
年金は、きっちりと保険料納付をしている人は、支給額に不満があっても支給されます。
加齢し、就労困難になった時からのお金は、「少ない」と感じても0円よりもマシだと思います。
色々と考え方はあるので一概には言えませんが、このような考え方もある。という参考程度の話でした。