4月 12 2025
障害年金 「統合失調症」の申請のはずが、「軽度知的障害」が発覚した瞬間・・・申請手法が変わった。
障害年金の申請は、何が起こるか解らない。
依頼者様から請求人の病名は「統合失調症」と聞いていた。
だから、統合失調症の申請のつもりで申請準備を進めていた。
準備の最中、初診日の証明書(受診状況等証明書)を揃えるには、カルテが残存することが第一条件。
初診日の病院を探し出して、カルテの有無を確認したら、15年近く前のカルテが残存しており一安心していた。
初診日の証明書(受診状況等証明書)を書いてもらい、完成したというので、病院に受け取りに行った。
さぁ、初診日の病院では、どんな治療を受けていたのかな?と思った矢先・・・「あれ?病名が、統合失調症ではない。軽度知的障害???」
軽く驚いた。
文書をしっかり読むと、幻聴や幻覚が出現し、統合失調症の検査をしたらしい。しかし、結果は統合失調症の症状ではなかったそうだ。
その代わりに、検査の結果として「軽度知的障害」が発覚したらしい。
ちなみに、現在の病院では「統合失調症」の診断で、薬はじめとして治療を受けている。
この場合、申請はどうなるか?と言えば、現在の病院では「統合失調症」と診断しているから、申請は「統合失調症」で提出する。
しかし、初診日の病院では「軽度知的障害」の検査結果が出ているので、検査を受けるまで軽度知的障害が見つからずに五十代後半まで生きてきた。ということになる。
軽度知的障害と診断が降りているから、申請の仕方は、軽度知的障害の手法をとることになる。
軽度知的障害の手法は、二十歳前障害としての申請することになる。
二十歳前障害の認定日(遡り)の診断書は、二十歳前後三ヶ月の状態を書いてもらうことになる。この方の場合は、二十歳前後には病院に行っていないので、カルテがない。だから、認定日(遡り)の申請はできない。
この方の申請は、「統合失調症」として申請するけど、過去に軽度知的障害と診断されているから、認定日(遡り)請求はできず、現在の診断書を使った「事後重症請求」しかできない。つまり、支給されたとしても、申請した翌月からの分しか障害年金の支給は開始されない。
依頼者様の要望は、過去五年間の障害年金の支給だったが、申請する前に、要望は制度上叶えられないことが明確になった。
このように、障害年金の申請において、現在の症状や日常生活能力だけをもって「支給される」と勘違いしていけない。
障害年金は、生活保護などと同様に、制度だから条件が整わないと支給されることはない。
請求人は、お金に執着がなく、生活費について考えることはできなくなっているから、この申請手法に変わっても、別に何とも思わないかもしれない。
しかし、依頼者様は、請求人の生活費を賄っているだけに落胆は大きいだろな。
やってみないとわからない障害年金が垣間見えた瞬間だった。